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Published 13 May 2011

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タイ:旅行バッグから生きたヒョウ、クマ、サルがみつかる

【2011年5月13日、タイ、バンコク発】
 パスポート、航空券、ヒョウの子? これがまさに、アラブ首長国連邦の男性が、スワンナブーム国際空港で5月13日の明け方早くに逮捕された際に所持していたものだ。


このクマの子も、バンコクの空港で乗客のスーツケースからみつかった7頭うちの1頭である。
© Panjit Tansom

4頭の子ヒョウ、1頭の子グマ、1頭のテナガザルの赤ちゃんと1頭のマーモセット、合わせて7頭の幼い動物が、36歳の容疑者のバッグに、生きた状態で詰め込まれていたのが発見された。

 この密輸者の大胆な試みをくじいたのは、かさばったバッグでも、怪しい行動でもなかった。彼の企みを暴露したのは、バッグに詰められていたヒョウの子の押し殺したような鳴き声だった。

 タイ警察の自然資源及び環境犯罪抑制部門(Natural Resources and Environmental Crimes Suppression Division)の担当官は、ドバイ行きの乗客が国外に生きた動物を密輸しようとしているという密告を受けた。

 動物を運んでいるというその人物を特定するため、この日の午前1時ごろに、その時まさにドバイ行きのフライトに乗り込もうとしている乗客すべてに対し、部門の担当官が検査を受けるよう指示した。

 チェックしている間に、警察官がヒョウが鳴いているのを聞きつけ、この容疑者に目を付けたところ、この男性の手荷物から動物がみつかった。

 この動物たちは国立公園・野生生物・植物保全局(a National Parks, Wildlife and Plant Conservation Department)の救護センターで保護されており、この容疑者はタイ国外に絶滅のおそれのある種を密輸出したとして起訴されるだろう、と副局長(Deputy Director General)の Theerapat Prayunsitthi博士は記者会見で述べた。

 もし有罪判決を受けたら、容疑者は懲役4年および4万タイバーツ(約10万円)の罰金を言い渡される可能性がある。

 タイから密輸者が幼い野生動物を持ち出すのは今回が初めてではない。この2月にも、インドネシアの男性は動物でいっぱいにした3つのスーツケースを持っているのが発見された。去年の8月には、タイ人の女性が、薬でフラフラになったトラの子を旅行バッグに隠し、イランに密輸しようとしていたのを当局が発見している。

 今回の事件で、ペット取引向けの幼い野生動物の違法な捕獲および密輸に世間の注目が集まる。トラフィックサウスイーストアジアはそれ以来、この問題に注目している。マレーシアのボディショップはトラフィックサウスイーストアジアと協力し、まさにこうしたペット取引について注意喚起するためのキャンペーンをおこなっている。