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Wildlife Trade Specialists

Published 25th October 2013

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ミナミマグロの会合結果に対し、トラフィックは懸念を示す

【オーストラリア、アデレード発 2013年10月】

 10月中旬、アデレードにおいて、政府の代表者と漁業管理当局による会合が開かれたが、ミナミマグロ Thunnus maccoyii 資源の長期的目標を明らかにすることができなかった。また、ミナミマグロは絶滅の危機にあるにもかかわらず、配分量以上に漁獲をした国に科される罰則の水準を明らかにすることもできなかった。


CCSBTは、ミナミマグロ資源の長期的目標を明確化できなかった ©naturepl.com/David Fleetham/WWF-Canon

 みなみまぐろ保存委員会(Commission for the Conservation of Southern Bluefin Tuna :CCSBT)の年次会合は、関係国政府が、現在および予測される資源評価を考慮に入れたうえで、分布域のミナミマグロ漁獲の年次配分量を決め、また、公海における漁業操業を規制する措置に合意する機会となるものである。

 今回の会合において、2014年のミナミマグロ総漁獲可能量(TAC)については、昨年合意されたとおり、現在の10,949tから12,449tに増加させることとなった。また、新たに、2015年には14,647tに増加させることに合意した。更なる資源評価の結果によっては、2016年および2017年についても同じ水準となる。

 この増加は、主に新たな調査を根拠としたものであり、その調査では、ミナミマグロ資源が以前考えられていたほど激減してはいないことが判明した。しかし、その水準は依然として、2035年までに初期資源量の20%まで資源を再建するとCCSBTが定めた暫定的な目標を下回っている。

 トラフィックは、資源の再建のための長期的ビジョンについては、依然としてCCSBTの対応が待たれていることに対し、懸念を表明した。

 「資源に対する予防的・長期的なビジョンがあれば、ミナミマグロの総漁獲可能量(TAC)をこんなに早く増加させようという意志は強くはたらかなかったかもしれない」と、トラフィックの水産取引プログラムリーダーのグレン・サントは言う。

 承認された漁獲量は、日本のミナミマグロ配分量の増加も含むものである。

 2006年、CCSBTは、何年にもわたって日本によっておこなわれたミナミマグロの著しい過剰漁獲について言及した。つまり、日本は、違法、無規制、無報告(Illegal, Unregulated and Unreported:IUU)漁業に関与していたということである。それに対する対応として、CCSBTは2007年から日本の配分量を削減した。

 しかし、トラフィックが会合において明らかにしたように、過去7年間の削減は、推定されるIUU過剰漁獲の約10%にしか達していない可能性がある。

 「この事例が、IUU漁業に科される罰則を決める前例となる可能性があるということをトラフィックは懸念している」とサントは言う。

 「国別漁獲配分を設定する漁業機関は、その配分量が忠実に守られ、加盟国が、軽々しく責任を逃れて、割り当てを無視しないようにしなければならない」

 「CCSBTは、数年にわたる過剰漁獲に対し、IUUの全体の10%の払い戻しのペナルティーが十分な罰則だと考えているのだろうか? もしそうであれば、国別年次配分量以上を漁獲しないように、という国々に対する強い抑止メッセージとなることはほぼない」

 会合のさらなる懸念の要因は、CCSBTが、漁業操業により影響を受ける種の偶発的混獲を制限するための法的拘束力のある措置を採択できなかったことである。

 「CCSBTはミナミマグロ漁業により不注意に影響を受ける、絶滅の危機にある海鳥類、サメ類、ウミガメ類の苦境を軽減するため、厳しい措置を設けることができたはずである。混獲の影響の削減が義務ではなく、自主的なものである限り、それらの種は必要もないのに危機に瀕したままである」とサントは言う。

 トラフィックとWWFは、ミナミマグロの問題に対し、密接に連携して取り組んできており、20年以上にわたり、種の管理について議論するため、CCSBTの会合に出席している。トラフィックとWWFは、今回の会合においても共同のオープニングステートメントを述べた。

 トラフィックは、今回の会合において、IUU漁業活動に対するペナルティーについて、公式発言をおこなったが、納得のできる回答は得られなかった。今回の会合の結果を受け、トラフィックは、2014年のCCSBTに向けて6つの提言を示した。

 提言の中では、会合での意思決定における透明性の確保についても言及している。今回の会合においては、総漁獲可能量(TAC)の議論などについては、各国の代表のみが参加する作業部会によっておこなわれ、全体会合では結論が報告されるにとどまった。

 「国際的なマグロ漁業管理機関の会合において、重要な議題の議論の過程が公開されないという、意思決定の不透明さは、驚きであり、残念でもあった。CCSBTはオブザーバー等が参加する意義を尊重すべきである」と、会議に参加したトラフィック イーストアジア ジャパンの水産担当である白石広美は言う。