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Published 12 March 2012

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インドホシガメ、祖国に帰る

【インドネシア、ジャカルタ発 2012年3月21日】
 インドネシア、ジャカルタのスカルノ・ハッタ空港で押収されたインドホシガメGeochelone elegans19頭が原産国に返還された。


インドネシア当局は昨年11月に押収された19頭のインドホシガメを原産国へ返還した。©TRAFFIC Southeast Asia

今回、インドネシアで押収されたカメ類がインドに返還された初めてのケースとなった。

 「今回返還されたインドホシガメの数は、不正に取引される中のごく一部でしかない。しかし、この返還は、アジア地域の法執行官たちが地域内で起きる野生生物犯罪と闘うためにより深く関わり合い、努力し、互いに協力していることの象徴である」とトラフィックサウスイーストアジアの地域事務局長代行クリス・シェファードは言う。

 返還されたインドホシガメは、2011年11月7日にバンコクからインドネシアに帰国した女性がカメや他種類のヘビを必要な許可書をとらずに持ち込もうとしたところを、ジャカルタの税関が押収したものである。

 女性の荷物からは、47頭のインドホシガメがみつかったが、27頭は到着時すでに死亡またはその後すぐ死亡した。検疫所で返還を待つ間にもさらに多くが死亡した。

 これらインドネシア国内でのインドホシガメの世話や返還については、税関、検疫、 森林保護・自然保全総局(Directorate General of Forest Protection and Nature Conservation)が調整をおこなっている。

 インドホシガメは、インドのチェンナイにあるアリグナル・アンナ動物園(Arignar Anna Zoological Park (AAZP))に送られ、その後すぐそこから野生に還されることになるだろう。

 インドホシガメは、インド、パキスタン、スリランカを原産とし、これら3ヵ国で保護されている。またワシントン条約では附属書II に掲載され、規制の対象とされている。

 インドホシガメは、東南アジアのジャカルタなどで特にペットとして人気がある。こうした需要を満たすための違法取引が種の存続にとって最大の脅威となっているとみられる。

 「東南アジア当局は、密輸業者や違法な取引や売買をおこなっている者に対し、インドホシガメなどの爬虫類の違法取引はこれ以上許されないことを行動で示す必要がある」とシェファードは言う。「爬虫類などの動物を違法に販売する取引業者は、商売から締め出され、罰せられることが必要だ。」