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Published 23 October 2009

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ミナミマグロの総漁獲可能量の削除措置は「焼け石に水、そして手遅れ」

【韓国 済州島】
 ミナミマグロの総漁獲可能量の削減措置は、資源が崩壊寸前のミナミマグロの資源回復には不十分で遅すぎると、WWFとトラフィックが警告している。


東京の市場で売られるミナミマグロ。もっとも楽観的なシナリオでも資源量が回復するには数年かかる。© Michel Gunther / WWF-Canon

 韓国の済州島で開かれたみなみまぐろ保存委員会(CCSBT)の結びのスピーチで、トラフィックのグローバル海洋プログラムリーダーであるグレン・サントは、もっとも楽観的なシナリオを想定しても、ミナミマグロの個体数が回復するには何年もかかる、と指摘した。

 「みなみまぐろ保存委員会の加盟国はミナミマグロの産卵親魚の資源量が以前の3~8%にまで落ち込んでいるという事実を深刻に受け止めている」とサントは言う。

 「総漁獲可能量の20%削減は、ミナミマグロ資源の深刻な低水準を回復させようとするものであり、数値が回復する見込みがあるという科学的評価も存在するが、それを実現するには何年もかかる。」

 オーストラリアは漁獲量の50%の削減を求めてきたが、WWFとトラフィックはミナミマグロの一時禁漁を求めてきた。

 地球の反対側では、ワシントン条約附属書 I 掲載による大西洋クロマグロの国際貿易の禁止が提案され、WWFは大西洋まぐろ類保存国際委員会に漁業の一時停止を求めている。

 どちらの漁業においても、違法かつ過剰な漁獲に苦しめられている。

 「我々の最大の関心は、違法な漁獲が減少し、各国が割当量を守ることである。そうすれば、将来への蓄えが回復している間、それを切り崩すような加盟国はないだろう」とサントは言う。

 「20年間で20万 t 以上もの超過漁獲をおこなったり、他国によって蓄えられた資源回復を崩したメンバーが過去にいたという状況に、いくつかの加盟国はおかれてきた。」

 2年後には、加盟国は、彼らが何を変えていく必要があるか、より効果的にアドバイスしてくれるような管理手続きを導入することに合意するだろう。

 もしこの管理手続きが2011年までに決まらなければ、現在の漁獲量の50%まで削減する必要が発生し、稚魚加入量が歴史上でもっとも低い数値に達した場合は、非常事態が宣言され、漁業は停止しなければならなくなるだろう。

 「理論上では可能とされているが、漁獲され続けてかつてないほど低水準となったミナミマグロ資源量が回復することができるかどうかは不明だ。」とサントは指摘する。

サントのインタビューはこちら


Notes:

日本は...

 国際連合食糧農業機関(FAO)の統計によれば、2006年には世界で取引されるミナミマグロの約90パーセントが日本に向けて輸出された。マグロ類の大消費国であり、漁業国でもある日本は、その消費のあり方を見直すときにきているといえるだろう。

 みなみまぐろ保存委員会第16回年次会合で決定された国別割当量は、表のとおりである。

表 国別割当量(2009-2011) (単位:t)

国名

2009

2010

2011

日本

3,000

2,400

2,400

豪州

5,265

4,015

4,015

韓国

1,140

859

859

台湾

1,140

859

859

インドネシア

750

651

651

NZ

420

570

570

フィリピン

45

45

45

南ア

40

40

40

EC

10

10

10

11,810

9449

9449